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春の嵐、わがテイにも。下巻

 
 たしかにその日はいつもと違っていた

前日まで続いた 氷つくような寒さは
[恐ろしく肺活量のあるヒーロー]がちょちょいと
吹き飛ばしたかのように消え去り
早春の、雲一つない青空が晴れ渡っていた


それまでであれば
予期せぬ届け物であれば、配達びとを屋内まで呼び入れ
都合のいい場所を指定して配置してもらうところだが
その日に限って、
愛想よく「あ~そこでイイッスよ~、」などと
万人の如く科白を発していたのである。


私は
慣れた足どりで、しかし確実に
玄関先へと到着し、
その業者の方が置いていった
見なれた、ほぼほぼ体積も容認できる
白塗りの荷物を、目視した。



次の瞬間
左側の耳のごく近くで音がした。
 ピキ!。

それは、まったく無警戒に、2才の子供が初めてもらった
オモチャに喜びいそしむように無垢に、
届けられた24kgの[水]を、体を2つ折りにしながら持ち上げようとした
その瞬間だった。

そして
今までの人生の中で、あまり聞き慣れない音。
…そんな印象が脳裏を這いずり回った。

何秒かして
怪音の発生地域は、私の背後、肩甲骨の少し下、
粗身体の中央付近だということがわかった。

そのまま、玄関先に[寝んね]してしまったことは
想像に難しくないはずである。


その日の夜
近くの整骨院に駆けこみ、お助けを申し出た。




日々、健康であるということが
如何に、実は満たされた世界であるということ。

人生、歩き続けることは大変である
しかし、同じ速度で歩き続けることはもっと大変である。


知らされた最近であった。

  by hirari013 | 2012-04-07 21:46 | ハチロウ

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